「インタフェースデザインの心理学」を読んだ
長い間積んでいたがようやく読んだので簡単な紹介など。
本書の構成
UIデザインを行う上での100の指針が掲載されており、主に心理学などの論文に基づく内容となっている。 引用元が心理学なのでデザインサンプルといったものではなく、人間の行動原理に関わる内容が多い。UIに関係なさそうな項もあったが基本的には論文紹介からUIへの適用例といった内容。
目次および序盤のサンプルPDFは以下から。
面白かったトピック
- 003.人はパターン認識で物を識別する
- 人間が物を認識するときは基本的な立体(幾何形態-ジオン)に基づくというもの
- ジオンで構成した物体の方がより認識しやすい
- 020.一度に覚えらえるのは4つだけ
- タイトル通り、一度に処理出来る情報数は4つが限度
- 例えばタブなどを4つ以下に抑えると認識しやすい
- それ以上の情報を詰め込みたい場合はチャンクにして下位に情報を持たせる
- 031.人はシステムを使うときメンタルモデルを作る
- メンタルモデルはある物事に対してどう理解しているかというもの
- ユーザの成熟度によって受け取り方が異なってくる
- 過去の経験などからメンタルモデルは構成される
- #objectdesignでも話されていたけど、例えば開発者とユーザのメンタルモデルは異なるため開発者がユーザ目線を持つのは困難であるということ。だからユーザ調査をしてメンタルモデルを理解しようとする
- メンタルモデルはある物事に対してどう理解しているかというもの
- 054.「内的報酬」のほうが「外的報酬」よりもヤル気が出る
- 内的報酬とは達成感や何かを習得したいなどのことで、外的報酬は金銭的な報酬
- 外的報酬によるモチベーションは外的報酬が得られなくなった時点で途切れる
- 内的報酬によるモチベーションの方が持続的
- 092.人は自分の処理能力を超えた数の選択肢や情報を欲しがる
- 「ジャムの法則」商品の選択肢を増やしたほうが立ち止まる顧客は増えたが購入率は下がるという話
- 020.の4つのルールを適用してみる
- 093.選択肢が多いほうが思いどおりになっていると感じる
- 092.と通じるが、1つしか選択肢がないものと複数あるものでは後者が選ばれやすい
- たとえ効率が悪いものであっても選択肢を複数用意するのは良い
所感
- デザイン、心理学について学んだことが無かったため多くの学びがあった。本書は構成的にも雑学のような感じなので今後より体系だった本を読むと面白そう
- メンタルモデルおよび概念モデルについてはUIだけでなく設計やコードにも適用すると良さそう
- 092.にあるように積読が多すぎると選択肢が多すぎて読むのがつらい。積読を減らそう
インタフェースデザインの心理学 ―ウェブやアプリに新たな視点をもたらす100の指針
- 作者: Susan Weinschenk,武舎広幸,武舎るみ,阿部和也
- 出版社/メーカー: オライリージャパン
- 発売日: 2012/07/14
- メディア: 大型本
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